美白とメラニンの関係
美白のために必要なのは、肌のメラニン生成を抑えること、つまりはメラニンを作らせないこと、それが最も重要だと誤解している人もいるかもしれませんね。もちろん過度なメラニン生成はシミやソバカスの原因になりますが、メラニンには大切な役割もあります。
紫外線は、DNAを破損させるほどの力を持っています。人間は、紫外線をメラニン色素で吸収することで紫外線から体を守っているのです。お肌に限定して言えば、お肌にとっての悪では全くなく、むしろお肌を守るための重要な役割があるのです。ですから先天的にメラニン生成ができない、生成できても量が少ないアルビノは、皮膚がんの発症リスクが高くなります。アルビノに限らず、北欧系の白人も黄色人種や黒人に比べて皮膚がんが多くなっていますね。
では、メラニンって、結局何なのでしょう。メラニンというのは、色素の一種です。植物の花の色や、犬や猫などの毛色を作り出す、あの色素です。メラミン色素は、黒の真性メラニンと、橙赤色の亜メラニンの2種類があり、人間の場合、皮膚表皮の一番下にある基底層、髪の毛などの毛母基などのメラノサイトでそのほとんどが作られます。ちなみに毛母基のメラノサイトがメラニンを作れなくなると、白髪になります。
美白にとって、メラニンそのものは敵ではありません。メラニンが生成されるのは、肌を守ろうとするけなげな防衛反応です。そう考えると、メラニンが悪者だとは思えませんよね。メラニンは、一緒に体の外に排出されなくなったとき、シミやソバカスなどのトラブルを起すのです。メラニンが排出しきれなく理由は、不規則な生活などでターンオーバーが狂ってしまうこと、そして排出しきれないほど多量のメラニンを生成してしまったときに起こります。つまり、排出しきれないほどのメラニンを作ってしまった原因や、適切にメラニンを押し出す力をなくしてしまったお肌の状態、それが問題なのです。メラニンさえなければ……そんな風に考える人もいますが、メラニンは上手に付き合って味方にすること、これが美白のための第一歩になるのです。