正しい日焼け止めの使い方
もっとも手軽な紫外線対策は日焼け止めですね。簡単に持ち運べますし、塗りなおしも簡単です。ただ、日焼け止めの使い方にはいくつかコツがあります。
その前に、まずは日焼け止めについて勉強して言いましょう。日焼け止めは、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2つの種類があります。紫外線吸収剤は文字通り、紫外線を吸収してしまうもので、紫外線そのものを熱エネルギーに変換させるもの、紫外線散乱剤は紫外線を反射・乱獲させて肌に届かないようにするものです。紫外線吸収剤は、紫外線を変化させるために化学物質を利用します。そのため、肌に負担となったり、体質によってはかぶれを引き起こしたりというデメリットがあります。ただし、強い効果が得られ、SPF50のものもあります。(SPFの上限は50)SPFという数字の意味は、赤く日焼けしてしまうまでの時間を、どのくらい引きのばせるか、ということです。SPF50であれば、10分で赤く日焼けしてしまう人の場合、500分、8時間以上引き伸ばせることになります。ただ、この場合、日差しに当たっている時間がそもそも3時間だけ、というのであればSPF18でも良い、ということになります。数値が大きければ大きいほど、肌には負担がかかりますので、適切な数値のものを選ぶのがコツです。まだ、汗で流れてしまうこともありますので、あまり強いものよりも、こまめに塗りなおしたほうが効果的。また、日焼け止めには、SPFだけではなく、PAも表示されています。このPAは、曇り空や家の中にいても入ってくる、UV-Aをどのくらい防げるかというもので日本ではPA+、PA++、PA+++、PA++++の4段階があり、+が多いほど効果が高くなります。効果を表すPFA値は、日焼け止めを塗り地肌が黒くなるまでの時間を、何も塗らないで地肌が黒くなるまでの時間で割って計算した数字です。UV-Aによって、1時間で肌が黒くなる人に場合、PA+を使った場合PFA値は2〜4で、2〜4時間肌が黒くなるのを防ぐことができます。紫外線散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛などの鉱物が使われることが多く、紫外線吸収剤に比べて効果は弱め、粉っぽくって浮きやすいという欠点があるものの、でも肌には優しいというものです。最近では鉱物ではなく、植物由来の成分で作られた紫外線散乱剤も登場しています。(ただし、鉱物に比べてさらに効果が弱くなっています。)
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらを使うかですが、お肌が弱く、紫外線吸収剤が使えない人の場合はもちろん紫外線散乱剤一択。紫外線吸収剤でも特にトラブルはないという人は、普段使いは紫外線散乱剤を使用し、屋外でスポーツなどを楽しむ際には紫外線吸収剤を使うといいでしょう。この場合、屋外にいる時間と、塗りなおしができる時間を考えて、あまり強すぎない日焼け止めを選んだほうが良いのですが、真夏であればSPF30以上のものを使ったほうが安心です。そして、基本的に、2時間で塗りなおすつもりで使いましょう。なお、日焼け止め、特に紫外線吸収剤は酸化しやすく、また来年の夏に使うことができませんから、強い日焼け止めを使う機会が少なければなるべく小さめのものを選んでください。